新井事務所 PCM企業導入 東京アール・アイ株式会社

■PCMを社員教育に導入、その狙いと効果

東京アール・アイ 株式会社 齋藤一博社長

新井:お忙しい中、貴重なお時間を割いていただきありがとうございます。齋藤社長とはPCM®(プロセス コミュニケーション モデル、以下「PCM」)のセミナーを通して知り合い、当事務所の顧問先にもなっていただきました。
今回は、社員教育に熱心に取り組む齋藤社長の姿勢にとても興味があり、会社の中でPCMをどのように活用されているのか、お話しをお聞きしたいと思い、この場を設けていただきました。

齋藤:おっ、なんか真面目モードですね(笑)。今日は。
新井さんは、PCMを通してお互いのパーソナリティをよく理解しているので、とてもスムースに意思疎通ができるありがたい存在です。
専門家の先生と呼ばれる方々は、知識はあっても、コミュニケーションがスムースに行かない方もいて、時に歯がゆい思いをすることもありました。新井さんに出会えたことに本当に感謝しています。

新井:ありがとうございます。そう言っていただけると本当に嬉しいです。齋藤社長は、私の心に響く言葉を(PCMを通して)知っているだけに、心にビンビンきますね。(笑)
それでは、まず御社が社員教育に力を入れる理由について教えていただけますか?

新井憲一齋藤:当社の業務は、建築工事などのクレーンで物を吊る時に使用する「吊り治具」、簡単に言うと「吊り上げる物を掴む道具一式」を建築関係や物流関係などの会社に提供することです。
非常に専門性の高い仕事なのですが、お客様により喜んでいただくために、ただ専門的な知識をもって商品やサービスを提供するだけではなく、社員一人ひとりの人間力を高める必要性があると思っています。当社が社員教育に力を入れる理由はそこにあります。本当にお客様が必要とする商品やサービスを提供させていただくためには、単なるテクニック的な営業やサポートではなくその土台にある人間力、別の言い方をすると「人格」を高めなければならないというのが私の考えです。型にはまった教科書通りの営業やサポートだけでは不十分なのです。

新井:テクニックを身につけるだけではなく、「人格」を高める。社員一人ひとりの「人格」を高めるために社員教育に力をいれているのですか?
「人格」を高める、難しくも感じてしまいます。「人格」、具体的にはどのようなことだと齋藤社長は捉えているのですか?またPCMと「人格」がどのように結びつくのか齋藤社長の意見をお聞かせいただけますか?

齋藤:私がPCMをとても気に入っているのは、PCMが単なるテクニック的なコミュニケーションのスキルでないということです。非常に実践的ですぐに使えるだけでなく、なにより社員一人ひとりの「人格」を高める手段としてもとても有効であると私が考えているからです。
少し説明が長くなりますが、「想いの種をまき行動を刈り取る、行動の種をまき習慣を刈り取る、習慣の種をまき、人格を刈り取る、人格の種をまいて人生を刈り取る」という私の好きな、サミュエル・スマイルズの言葉があります。
まず、当社の理念や私の想いを社員に伝え、理解してもらうのにPCMはとても効果的です。相手に合わせて「どのように」伝えるかをPCMは提供してくれます。
いくら正しい事でも社員の目が輝かずに下を向いてしまうような言い方は効果的ではないと、新井さんもセミナーで言っていますよね。
また会社や私の想いを一方的に伝えるだけでなく、社員がどんな想いや考えを持っているのか、それらを理解するうえでもPCMはとても役立っています。
社内では、PCMという共通の言語を持つことによって、お互いのコミュニケーションが非常にスムースになりました。

新井:そうですね。PCMは、いろいろなパーソナリティタイプごとに適切な伝え方を簡単に教えてくれますよね。また自分と他者との違いを分かりやすく教えてもくれます。

DSC_0183.JPG齋藤:まず、想いの種を蒔くことによって、より質の高い「行動」にシフトしていく下地ができます。私や会社の想いを社員により分かりやすく伝えることができます。伝わったことが伝えたこと、社員が理解しなければ意味がありません。
想いを伝えることによって、会社の方向性を理解してもらう、ベクトル合わせが可能になります。ここがぶれていると「行動」もぶれてしまいます。
前提として、想いが原理原則に沿った正しいものでなければならないことは自覚しています。ここがぶれると決して高い「人格」に繋がらなくなります。自分自身のあり方にも常に注意をしています。

新井:「人は同じ行動をしながら、違った結果を掴もうとする。」人間の不思議な一面ですが、よりよい結果を得ようとすれば、「行動」の質を上げる必要があると私も思います。
そして、なによりもその「行動」が原理原則に基づいたものでなければならないことも分かりました。社員が「行動」を変えたり、新たな「行動」を起こしたりするために、どのようにPCMを活用されているのですか?

齋藤:「行動」の「動機づけ」となるものが一人ひとり違うこともPCMによって詳しく知ることができました。社員のパーソナリティに合った「動機づけ」を意識することにより、「行動」の質も変化していると思っています。

新井:凄いですね。そして、質の高い「行動」を継続して行うことによって、それがよい「習慣」になっていく。「習慣」になるまで継続して「行動」するためのサポートをどのようにすべきだと齋藤社長は捉えていますか?

齋藤:「習慣」になるまで続けるためのサポートにもPCMがとても役立っています。パーソナリティにあった、助言や指導が可能になっています。ここでもパーソナリティ に合った伝え方、「動機づけ」の仕方がとても効果的です。社員間で問題がおこった時の原因を知ることや対処法にもPCMは役立ちます。
人間関係の構築には丁寧に、そして時間をかけることも意識しています。心を持った人間に対して誠意をもって向き合うよう日々心掛けています。

新井憲一新井:社員一人ひとりに齋藤社長の想いを効果的な方法で伝え、社員が齋藤社長の想い、会社の方向性を理解する。
PCMを通して、一人ひとりが自分自身をより良く知ることで、この会社で自分をどのように輝かせるのか?社会に対してどうお役にたつのか?そのようなことを意識しながら仕事に向き合うようになる。
その結果として社員が主体性を発揮し日々の「行動」が変わっていく。
「行動」を新たに起こすため、今までの「行動」を変えるため、良い「行動」を続けるための助言、指導にもPCMを活用しながら、質の高い「行動」が「習慣」になるまで継続する。
その繰り返しが結果として「人格」を高めていくことに繋がるとお考えなのですか?自分なりにまとめてみたのですが

齋藤:はい。より質の高い商品やサービスをお客様に提供するために、一人ひとりの「人格」を高めることが必要だと私は思っています。商品やサービスを提供するのは、人である社員なのですから、一人ひとりの「人格」が商品やサービスの質に強く関わってくると思っています。
それから、会社の理念や想いをお題目でなく、実際に生きたものにするのも、現場に関わる社員です。社員そして何よりも私自身の「人格」を磨いていきたいと強く思っています。

新井:「人格」を高める。齋藤社長のお話しを聞きながら、私自身も「人格」を高める必要性を再認識しています。
その効果に関してどのように感じていますか?

齋藤:少しずつですが効果を実感しています。時間はかかると思います。
でも難しいからこそ、できた時には当社の物凄い強みになると思いますよ。新井さんのお力もお借りしながら、丁寧に継続して取り組んでいきます。
「人格」を高めることは時間がかかると思いますが、PCMですぐに表れる効果について言うと、社員の相互理解が深まり、ミスコミュニケーションが減りました。エネルギーをより生産的なことに向けられるので、仕事の効率もとても良くなっていると実感しています。

新井:なるほど。丁寧に継続して取り組んでいく。社員研修としてPCMのセミナーを定期的に受講されている理由も分かってきました。定期的に継続して学ぶことの効果についてもお聞かせいただけますか?

DSC_0206.JPG齋藤:PCMを学んでも、現場で使えなければ意味がありません。
PCMを自分は学問ではなく、成果を出すためのツールと捉えています。一回勉強して、「そんなことも勉強したな~」で終わらせたくはありません。
学んで現場で使う、そしてまた学ぶ、この繰り返しによってPCMが大きな成果に繋がっていく。
「使えば使うほど身に着く、成果となって現れる」と新井さんもセミナーで言っていますよね。
常に刃研ぎが必要だと私は思っています。継続して学ぶことによって、「行動」が変わり「習慣」「人格」に繋がると思っています。
Key To Meセミナー、Basicセミナーを繰り返し受講しています。
社員には、「人格」を高めることで、どこでも通用する、社会に貢献しそして受け入れてもらえるような人になって欲しいと強く思っています。
そして、なによりも豊かな「人生」を刈り取ってもらいたいと思っています。そのために継続して学んでいくことが絶対に必要で、セミナーにも継続して参加する必要があると思っています。

新井:高い「人格」はすぐに形成されるものではありませんよね。地道なそして長期的な過程によってしか形成されないと私も思っています。
PCMが齋藤社長のお役にたつことができ、本当に嬉しく思っています。貴重なお話し、誠にありがとうございました。齋藤社長のパーソナリティもインタビュー中によく現れていましたね。(笑)今後ともよろしくお願いいたします。
さて、お仕事モード終わりにします。何かうまいもんでも食べに行きません?

齋藤:そう言うと思っていましたよ(笑)。今日もありがとうございました。どこに行きましょうか?

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齋藤 一博(さいとう かずひろ)

1966年 生まれ
東京アール・アイ株式会社 代表取締役社長
高校から自転車競技を始め22歳まで実業団選手として活動。その後、父親の会社である東京アール・アイに就職。平成17年8月よりPCMを学び始める。平成20年4月社長就任。
なぜか自分と異なった性格の要素を強く持つ社員が多く、PCMの学びが日々の社員マネジメントに役立っている。
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